2006年5月14日日曜日

第28話 助け船

ハン最高尚宮の亡骸を前に、チェングムは泣き崩れる。先を急がせようとする兵士たち。兵士はその場に遺体を埋葬し、出立させる。チャングムは、ハン最高尚宮をこんな目に遭わせた者を絶対に許さないと心に誓うのだった。
ミン・ジョンホは、内禁衛の長官の屋敷から解放され、宮中に向かう。しかし、チャングムたちは済州島に送られていた。馬を奪って追いかけるチョンホ。しかし一足遅く、船は出立した後だった。
ハン最高尚宮が亡くなった知らせが、内侍府の長官からヨンシン女官長たちにもたらされる。チェ尚宮はチャングムがどうなったか尋ねると、チャングムは済州島に渡ったらしいと聞かされる。クミョンとヨンノがハン最高尚宮が亡くなったことを話しているところに、ヨンセンがやって来る。自分も謀反に加担したので済州島に行きたいと言う。それを女官長に伝えてほしいと頼む。それをたしなめるクミョン。その後ヨンセンは女官長に直訴する。激怒する女官長。ミン尚宮がやって来て、ヨンセンを連れ出す。
一方カン・ドックは、ナジュテクのへそくりを探し出し、済州島に向かおうとする。ナジュテクに見つかり、謀反の罪は風向きが変われば許されることもあると諭される。それでも出て行こうとしたところに、チョンホがやって来る。チョンホを非難するナジュテク。チョンホは、自分が密偵に襲われて倒れたのを手当てしてくれたのは、チャングムだったことを知る。愕然とするチョンホ。

済州島にやってきたばかりのチャングムは、何度も脱走を試みていた。見張りの水軍の兵士クマンも手を焼いていた。チャングムが物置に閉じ込められると、そこに一人の女がいた。どうしても島から抜け出したいと言うと、何やら知恵を授けてくれる。翌朝、その女がクマンを呼び出す。何事かとやってきたクマンたちに、チャングムが水痘にかかったと言う。クマンたちはチャングムを納屋に隔離する。しかし、見張りの兵士が居眠りした隙に、チャングムは逃げ出す。そして、女に言われた通りに海岸を通って辿り着いたのは水軍の見張り小屋だった。慌てて逃げ出すチャングム。チョンホは済州島にやってきていて、その様子をチャングムと知らず眺めている。
つかまったチャングムは役人に鞭打ちの罰を言い渡される。また、もう一度脱走を試みたら、牛島(ウド)の放牧場に送るとも言われる。チョンホが役所でチャングムの消息を尋ねると、チャングムは何度も脱走を試みていて、やがて死んでしまうだろうと言われる。驚くチョンホ。鞭打ちの罰を受けたチャングムは、嘘を言われた女を見かける。丁重に扱われている様子だ。周りの奴婢からチャンドクという名前を知り、両班からも慕われているという話を聞く。不思議に思うチャングム。
チョンホが辞表を出して出て行ったことを知った内禁衛の長官は、自分の落ち度だと言う。そして、何らかの手を打たねばと考える。水刺間では、予想通りチェ尚宮が最高尚宮に就任する。祝いの席でミン尚宮は、自分を手足のように使ってほしいと申し出る。チェ尚宮は、これからは水刺間をチェ一族の伝統通りに運営すると宣言する。チャンイと二人になったミン尚宮は、チャンイからチェ尚宮に反抗するはずではなかったかと責められる。しかし、ミン尚宮にも限界があった。面従腹背で生きていくと言うミン尚宮。チャンイも、ミン尚宮についていくと言う。
チェ一族の屋敷では、チェ尚宮の最高尚宮就任の宴が催されている。その場にオ・ギョモも招かれており、これで安泰だと高笑いする。チェ最高尚宮は、水刺間をチェ一族のやり方で運営し、手始めに出納係を廃止すると言う。一方クミョンは、チョンホが役所を辞したことを知る。そして、クミョンは何かに思い当たる。
チャングムたちは馬の世話をすることになった。何度も脱走を試みたため、足かせをはめられるチャングム。その足は傷だらけだった。チョンホはチャングムを尋ねて来るが、馬の世話に出たことを知らされる。後を追うチョンホ。その頃チャングムは、馬を放してその隙に逃げ出していた。あわやつかまる寸前にチョンホに助けられる。
隠れ場所でチャングムは、怪我をしたチョンホを手当てする。その手の温かさを覚えていると言うチョンホ。そして、脱走の手筈を整えていると伝える。しかしチョンホは、いつまでも逃げている訳にはいかない、いつか自分が汚名を晴らすまで待ってほしいとも言う。チャングムは、ハン最高尚宮が「先に宮中に戻る」と言って死んでいったので、自分も宮中に戻らなければならないと言う。
翌朝、脱走を手伝う船頭がやって来る。チャングムは船頭に付いて行く。しかしその足取りはだんだん重くなる。そして、ハン最高尚宮の幻を見る。ハン最高尚宮は、チャングムに生き抜くように言うのだった。
結局チャングムは、チョンホとともに役所に自首する。役人は、チャングムを牛島の放牧場送りにすると言う。チョンホは何とかそれは勘弁してほしいと言う。何者だと訝しがる役人のもとに、チョンホの部下がやって来る。チョンホが水軍の武官に就任したというのだ。驚く役人。慌てて縄を解かせる。しかし、牛島の放牧場送りの撤回はできないと言う。仕事をやらせる者もいないとも言う。そこに、チャンドクがやってきて、自分に任せてほしいと言う。
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ハン最高尚宮の汚名を晴らすため宮中に戻ろうとするチャングムですが、チョンホの説得にあって考えを改めます。また、今後大きく運命を変えるチャンドクと出会います。チャングムが死罪にならなかったのはチョンホの働きがあったからですが、ナジュテクはそれを知るすべもなく、チョンホに冷たくあたります。トックを諭すナジュテクも、チャングムを思う気持ちは同じだったのですね。
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今週の名言
「何の力もない庶民は、時が一番の薬」
宮中でヨンセンに出会ったカン・ドックが言った言葉。ヨンセンがチャングムに手紙を渡してほしいと頼んだとき、チャングムのことは忘れてくれと言った時の台詞です。この時トックは、ヨンセンに何か薬らしき物を渡していますが、トックの怪しさは別にしても、友を失った辛さは時間しか癒せないと言うことでしょうか。でも、ヨンセンの思いはやがて通じます(第35話)。

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