2006年5月12日金曜日

第27話 偽りの自白

内禁衛の長官の働きかけにより、ハン最高尚宮とチャングムの取り調べが中止になった。チョン・ユンス医務官はチェ・パンスルを訪ね、形勢が不利になっていることを告げる。焦るパンスル。内禁衛の長官は、王が高熱を出して倒れた原因が硫黄アヒルのせいではないことを示すため、もう一度ハン最高尚宮たちに同じ食材を使って料理を作らせる。その場にはオ・ギョモをはじめ、関係者が集められていた。衆人環視の中で調理するハン最高尚宮たち。
その頃、ヨンノはホンイに女官長に手紙を届けるよう言いつけていた。水刺間への立ち入りが禁じられているので嫌がるホンイ。ヨンノは言葉巧みにホンイをそそのかす。そして、ホンイが前から食べたかったと言っていたアワビの甘露煮を差し出す。ホンイは、引き換えに水刺間を訪ねることを承知するのだった。
水刺間では出来上がったアヒル料理を誰が試食するかでもめていた。関係者には試食させる訳にはいかない。ユン・マッケが指名されたが、ヨンセンが「駄目!」と叫ぶ。オ・ギョモは理由を尋ねるが、答えられない。しかし、内禁衛の長官はユン・マッケは止めると言う。そこにホンイがやって来る。何事か女官長に耳打ちする。ホンイを見つけたオ・ギョモは、ホンイに試食させると言う。恐る恐るアヒル料理を食べるホンイ。一同はそれを見守る。

牢に戻されたチャングムはハン最高尚宮に熱があることに気がつく。牢番に薬を工面するよう頼むが、聞き入れられない。ハン最高尚宮は、「大丈夫」と言う。
翌日、ホンイが高熱を出した。医女は王の病状と同じだと言う。ミン尚宮たちは不思議がるが、原因が分かるはずも無い。
オ・ギョモは、硫黄アヒルが健康に良いと主張した町医者を問いつめる。そして、その町医者が昔チョ・グァンジョの治療をしたことが発覚する。今回の件とは何の関係もないと主張するが、オ・ギョモは聞き入れない。そして、チョ・グァンジョを紹介したのがミン・ジョンホであったことまで明らかになる。内禁衛の長官は、このままではチョンホにまで累が及ぶと判断し、話をそこで遮り、硫黄アヒルに問題が無いと言ったのは自分の誤りであったと言ってその場を退出する。
チョンホが潜んでいるところに部下から知らせが来る。内禁衛の長官が至急屋敷に来るようにと言うのだ。しかし、屋敷に駆けつけたチョンホはその場で縛られ、拘束されてしまう。「なぜそのようなことをするのか」と抗議するが、内禁衛の長官は、このままではチョンホの身が危ないと言う。
オ・ギョモはチェ・パンスルに、チョンホが地方に派遣されてるのは確かかと尋ねる。パンスルは、部下が確かめたので間違いないと言う。またパンスルは、チョ・グァンジョらを陥れる格好の人物を見つけたと言う。
取り調べのために連れてこられたハン最高尚宮たちは、その場にチョンホの副官がいるのに気づく。厳しい拷問を受けた様子だ。
クミョンはチェ尚宮に、ハン最高尚宮たちがどうなるか尋ねる。チェ尚宮は冷たく「死んでもらう」と答える。そして、火種は必ず消し止めなければならないと、自分に言い聞かせるように言うのだった。
あまりにも厳しい拷問に耐えかねたアヒル商人は、ついに偽りの自白をする。ハン最高尚宮に頼まれてアヒルに硫黄を食べさせたというのだ。また、それを伝えたのはチョンホの副官だとも言う。ハン最高尚宮は、チャングムを助けるために「チャングムは知らなかった」と申し立てる。そして、ハン最高尚宮も偽りの自白をするのだった。
牢に戻されたハン最高尚宮のもとに、チェ尚宮が尋ねて来る。チェ尚宮の差し金だろうと厳しく問いただすが、チェ尚宮は否定する。「このようなことになったのは自らが招いた結果だ」と言うのだ。ハン最高尚宮は「チャングムだけは助けてくれ」と懇願するが、チェ尚宮は何も答えない。チェ尚宮は、牢に戻されるチャングムとすれ違うが、そのまま立ち去る。
牢に戻ったチャングムは、ハン最高尚宮になぜ偽りを言ったのかと問いただす。ハン最高尚宮は、このままでは二人とも殺されてしまう、チャングムだけでも生き延びなければ、と答える。チャングムは、もうこれ以上重荷を背負って生きるのは辛過ぎると言うが、ハン最高尚宮は、チャングムは自分の娘であり、娘を死に追いやる母はいないと言う。
チェ・パンスルは、パク・プギョムにハン最高尚宮たちを死罪にするよう頼む。同席したチェ尚宮はそれを遮るが、その後の言葉が続かない。
内禁衛の長官の屋敷に監禁されているチョンホが暴れている。部下がやって来ておとなしくしてほしいと言う。チョンホは、内禁衛の長官に会わせてほしいと言う。内禁衛の長官に会ったチョンホは、ここまま無実の者が処刑されるのは忍びないと言う。そして、自らが掴んだオ・ギョモとチェ・パンスルの関係をネタに、取り引きしてほしいと頼む。内禁衛の長官は深く悩む。
翌朝、宮中で内禁衛の長官はオ・ギョモを呼び止め、何かを伝える。その後、オ・ギョモは王に関係者を全員死罪にするべきと主張する。皇后は「ハン最高尚宮が自白したのは本当か?」と尋ねるが、オ・ギョモはその通りと答える。王は、死罪にするよう命じる。
処罰が決まったので、ハン最高尚宮たちは牢から出される。流刑中のチョ・グァンジョは死罪、チョンホの副官は取調中に死亡したが家族を奴婢にするという決定が伝えられる。一方、ハン最高尚宮とチャングムは奴婢の身分にし、済州島(チェジュド)に追放となる。胸を撫で下ろすハン最高尚宮たち。
女官長は、チェ尚宮に邪魔者はいなくなったと言う。しかし、浮かない表情のチェ尚宮。その場にヨンセンがやって来て、自分も済州島に行くと言う。それを聞いてヨンセンを叱りつける女官長。同行したミン尚宮は、何とか見送りに行く許可を与えてほしいと言う。女官長は取り合わないが、チェ尚宮が「私からもお願いします」と言う。それを聞いて、女官長は渋々認める。
済州島に送られるハン最高尚宮たちを涙ながらに見送るミン尚宮、ヨンセンそしてチャンイ。ハン最高尚宮はミン尚宮に、みんなの面倒を見るように言う。また、チャンイにつまみ食いをせずに仕事に励むように言う。その場にカン・ドック夫妻も駆けつける。また、人知れずチェ尚宮とクミョンも来ていた。涙ぐむクミョン。
体調を崩していたハン最高尚宮は、港への道のりでとうとう倒れてしまう。チャングムはハン最高尚宮を背負って歩く。チャングムとハン最高尚宮は、今までのことをいろいろと語り合う。しかし、意識が薄れていくハン最高尚宮。そして息を引き取ってしまった。
   ☆
とうとうハン最高尚宮が亡くなってしまいます。この物語の前半が終了し、チャングムが汚名を晴らすための戦いが始まります。それにしても、ハン最高尚宮を死に追いやったチェ尚宮ではありますが、憎めないんです。チャングムたちを見送りたいという申し出に、自分からも女官長に頼んだり、次期最高尚宮就任が決定的になっても浮かない顔をしていたり、チェ・パンスルがハン最高尚宮たちを死罪にするよう依頼しているのを思わず遮ったり。
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今週の名言
「お前の良さは人より秀でていることではなく、何があっても怯まず前に進むこと」
チャングムに背負われたハン最高尚宮が、チャングムを評して言った言葉。チャングムを、才能よりも努力の人と判断しているとも受け取れます。
「私は先に宮中に戻る」という台詞も印象的ですが、名言としてこちらを採りました。

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