2019年12月31日火曜日

2019年の暮れ

今年は災害、特に激甚な災害が多発したという印象を持ちます。もちろん、首都圏を複数回にわたって台風が襲ったことで、災害を身近に感じたせいもあると思います。

この激甚な災害の要因と考えられているのが、地球温暖化。地球温暖化への対策を話し合う国際会議や、ヨーロッパの少女の話題が連日報道されました。

少女vsトランプ(大統領)の構図はマスコミ的にも分かりやすかった。ただし、この分断の象徴的ビジュアルは、やがて相手方への暴力的な活動を誘発する危険性があります。

少女側から見れば、地球温暖化防止は待った無しの最優先課題であり、「つべこべ言わず直ちに二酸化炭素排出を減らせ」という主張になります。これを“絶対善”と捉えれば、そのほかの問題は些細な事象となります。

これは危険です。

 地球温暖化防止が“絶対善”なら、人が(多少)死んでも構わないとなります。実際、地球温暖化防止を強引に進めることは、人が死ぬことにつながります。人は誰でも豊かで、快適で、長く暮らしたいと考えるでしょう。それは先進国でも発展途上国でも変わりません。発展途上国ではインフラの未整備や、医療や教育の不足によって人命が失われています。「16世紀17世紀の暮らしをすれば良いのだ」とすれば、発展途上国の人はその生活を今後ずっと続けなければなりません。

また 温暖化防止を強引に進めたときに先進国で起こることは、弱者や貧困層にそのしわ寄せが行くことになるでしょう。

トランプ側から見れば、地球温暖化なんて空想の産物で、対策なんか必要ないという理屈になります。おそらくこの考え方の延長線上にも、人が死ぬ事態が待っています。最初に書いた激甚な災害の多発もその一つです。

実際には、地球温暖化が起こすことは大規模な気候変動による生物相の変化で、人類は食料を調達できなくなって滅びることになります。

やらなければならないのは、知恵を持った人間が集まってより良い解決策を見出すことです。そんなことは誰にも分かることですが、いま起こっているのは自分の立場を “絶対善”と考える登場人物が相手を罵詈雑言で貶し合いする現実です。

さてこんな状況は、2020年も続くのでしょうか・・・。

それでは、良いお年をお迎えください。

2019年最後の日の入り