2016年10月12日水曜日

熊本地震

先月、とある用事で熊本県に行ってきました。地元の方の案内で、熊本地震で被災された地域や避難所を見てきました。(ご本人も被災者です)

東京にいると、順調に復興が進んでいる・・・と思いがちですが、実情は厳しいものがあります。もちろん、順調に復興が進んでいるところもあります。しかし、復興のスピードには格差があって、遅れているところはまだ全くの手つかずだったりします。

それは、被災者の事情や地域の事情、被災の状況によって公的支援が受けられるか受けられないかの違いなど、複合的な要因があります。

また、「電気が復旧しました」 と言いつつ大きく傾いた電柱で給電していたり、「水道が復旧しました」と言いつつ水道管が地面を仮設で這っていたりなど、「それが復旧なのか」と疑問に思える点もありました。

おそらく、本当の「復旧」までには相当の時間を要すると感じました。

県内の観光地も、行けるところは数カ所廻りましたが、これも濃淡があります。先日は阿蘇山の爆発的噴火が発生しましたが、早く落ち着いて、県民のみなさんが前を向いて進んでいけるよう、微力ながら応援したいと思います。


被災した益城町の木山神宮

2016年10月9日日曜日

『はい。赤ちゃん相談室、田尻です。』

『はい。赤ちゃん相談室、田尻です。』(田尻由貴子・ミネルヴァ書房)

「こうのとりのゆりかご」(通称「赤ちゃんポスト」)が熊本県に設置された時、色々と物議を醸したものです。その設置に関わった著者が、どのような背景で、どのような気持ちで問題に取り組んだか、そして現在取り組んでいるかが紹介された本です。

当時と現在を比べて、赤ちゃんとお母さんを取り巻く環境が少しでも改善したかと言えば、(改善した部分はあるにしても)残念ながらそう言い切れる状況にありません。むしろ、悪くなっている部分もあります。

それでも、著者を含めた関係者の情熱と努力に、敬意を表したいと思います。

また著者のお話に加えて、著者が相談員として関わったお母さんと家族のエピソードも書かれています。その中で、障害のあるお子さんを出産したお母さんが、育てる勇気がなくて、しばらく経って始めて赤ちゃんに会ったときの意外な一言が、涙を誘います。(ネタバレになるので、ここでは書きません)

私はこの分野の問題に関して何にもできない立場ではありますが、「無関心こそが最大の問題」という認識のもと、何かのお役に立てればと思っています。