2016年10月9日日曜日

『はい。赤ちゃん相談室、田尻です。』

『はい。赤ちゃん相談室、田尻です。』(田尻由貴子・ミネルヴァ書房)

「こうのとりのゆりかご」(通称「赤ちゃんポスト」)が熊本県に設置された時、色々と物議を醸したものです。その設置に関わった著者が、どのような背景で、どのような気持ちで問題に取り組んだか、そして現在取り組んでいるかが紹介された本です。

当時と現在を比べて、赤ちゃんとお母さんを取り巻く環境が少しでも改善したかと言えば、(改善した部分はあるにしても)残念ながらそう言い切れる状況にありません。むしろ、悪くなっている部分もあります。

それでも、著者を含めた関係者の情熱と努力に、敬意を表したいと思います。

また著者のお話に加えて、著者が相談員として関わったお母さんと家族のエピソードも書かれています。その中で、障害のあるお子さんを出産したお母さんが、育てる勇気がなくて、しばらく経って始めて赤ちゃんに会ったときの意外な一言が、涙を誘います。(ネタバレになるので、ここでは書きません)

私はこの分野の問題に関して何にもできない立場ではありますが、「無関心こそが最大の問題」という認識のもと、何かのお役に立てればと思っています。