筑波大学大学院の徳田克己教授が、伝統的な昔話に認知に関する調査を行ったという記事がありました。むかし話「桃太郎」で、主人公と鬼退治のお供に行ったのは誰(何)か、という質問に対する正答率が、20年で大幅に低下したというのです。
そして、誤答の中に、アンパンマンが登場したことを批判的に取り上げています。徳田口授は、「日本の昔話には年寄りをいたわる、うそをつかないなどの道徳が自然に身に付くものが多く、大切にしてほしい」というコメントを寄せています。
はたして、そうでしょうか?
取り上げられた「桃太郎」物語は、地域により、時代により大きく変わっています。桃太郎が生まれたのは、流れてきた桃を食べた老夫婦が若返ったから、という伝承や、桃太郎が女の子だったという話もあります。
いったい、いつの時代の、どの地域の物語を“正解”にしたいのでしょうか?
特定の出版社の、特定の著者の物語だけを“正解”とし、それ以外を不正で不当なものと断定するのは、極めて危険だと感じます。民話や伝承は、地域や時代によって変遷して良いし、変遷するべきものです。
明治時代、桃太郎が戦装束をまとい、日本国がアジアを(キジやサルのように)従えるのだ!と教育されたことを、忘れるべきではないと考えます。
だいいち、昔話が「道徳的」というのは、事実誤認も甚だしいのです。
子どもたちには、アンパンマンでも、ウルトラマンでも、いろんな登場人物や動物たちが出てくる、楽しい物語を次々に創造していってほしいものです。
桃太郎、アンパンマンと鬼退治!? 昔話を知らない子供たち、20年で正答激減
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100425-00000030-san-soci
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