2006年6月22日木曜日

第33話 うぬぼれ

シン・イクピルが医女修練の仕組みを説明する。半年の間に50回の試験を実施し、優、秀、良、可、不可で採点し、得点の高い者から宮中に採用すると言う。宮中に入れなかった者は地方で医女として働き、合格しなかった者は奴婢に戻ることになる。また、優をたくさんとっても、不可が3つになるとその者は落第になるとも言う。ここで、「チャングムは誰だ」と聞く。チャングムが「私です」と答えると、シン教授は「お前は不可1つだ」と言う。チャングムが医女の資格を持たないのに病気の治療をしたことがけしからんと言う。
早速授業が始まる。次々に修練生に問いかけをするシン教授。チャングムは答えたそうな雰囲気だが、指名しない。他の修練生は答えに窮している。チャングムは、自分が誤解されていると信じてシン教授に直訴に行く。しかしシン教授は、「お前には医女になる品性のかけらも無い」と、取りつくシマも無い。シン教授の厳しい授業は続く。呼吸法、養生法、食事の摂り方など。一方、教典を担当するイ・ヒョヌク教授はチャングムに代読をさせ、さっさと退出してしまうなど、まるで医女を教育する熱意が無い。しかし、シン教授よりも身分が上なので、影響力は大きいと言う。

シン教授が薬剤の授業をしている。チャングムは優秀そうだ。案の定、チャングムとシンビが組んだ試験で、教授はチャングムを優、シンビを可とする。その後、薬と毒を区分する試験を実施する。課題に取りかかる修練生たち。
その頃、ミン・ジョンホは地方に行っている志ある者を都に呼び戻すべく説得していた。しかし、色よい返事が無い。チョン・ウンベクにも声をかけるが、宮中に仕えるつもりなはいと言う。
カン・ドックとナジュテクが歩いている。恥も外聞も捨てて、チェ・パンスル商会に取り入ろうというのだ。頼まれもしない仕事を手伝うトックだが、チェ・パンスルは無視して出かけてしまう。必ず酒を納めさせると毒づきながら屋敷を去っていくナジュテクたちに、チョンホが声をかける。チョンホは、王がトックの薬膳料理を食べたいと言っているので、やがて宮中から知らせが来るだろうと言う。それを聞いて喜ぶ二人。チェ・パンスルの屋敷に取って返して、ボランティア仕事を元に戻す。チェ・パンスルの執事たちは呆れてその様子を見ている。堀の土を埋め戻しているところに屋敷の者がやって来て、料亭に酒を納めるようにとトックに話す。トックたちは喜び、もう一度堀の土を掘り返すのだった。
オ・ギョモとチェ・パンスルが話をしている。ミン・ジョンホが司憲府の監察官に就任したことを憂慮していた。しかし、国防に功績があったための起用で反対もできない。
トックの家で、チョンホがオンドルの修理をしている。トックは申し訳ないと言うが、ナジュテクはチャングムのためだろうと察していた。
薬と毒の区分試験の結果が貼り出される。合格したのはシンビだけで、他の者は不可だった。不思議に思う一同。チャングムは自分が嫌われていると思い、シン教授に直談判に行く。シン教授は、チャングムが虞れを知らず、失敗に学んでいない、医女になる資格は無いと言う。チャングムは、炊事、洗濯、掃除をするので怒りを鎮めてほしいというが、シン教授は怒っていないと言って立ち去る。
その日から、チャングムは他の修練生の分も含めて、炊事、洗濯、掃除を全て担当する。しかし、その様子を見たシン教授は、「医師は意地でなるものではない。悪あがきは止せ」と言う。
ある晩、イ・ヒョヌクからチャングムに呼び出しがある。何事かと行ってみると、不可を取り消してやると言う。しかし、翌日の高官の屋敷での宴会に出席しろとも言う。医女を妓生の代わりに使うのは王の命令で禁止されていたが、慣例だと言う。
翌日、他の修練生は宴会に出かける。この日からシン教授の実習があるのだが、出席したのはチャングムとシンビだけだった。シン教授は二人を患者の部屋に連れて行く。そして、二人に診察を命じる。チャングムは素早く診断したが、シンビは悩んでいる。シン教授が何日あれば診断できるか、と聞いたのに対してシンビは10日間と答える。シン教授は10日間のあいだに診断と処方を決めるように言う。
翌日、シン教授は宴会に出かけた修練生の入場を拒否する。イ・ヒョヌクはそんなシン・イクピルを非難する。シン・イクピルには、誤診で人を死なせた過去があるらしい。結局、修練生を実習に参加させることにする。
いつもの通りシンビは患者に詳しい話を聞いている。その話から、チャングムは病気の原因が実は違うところにあったことに気づく。そして、「シン先生は正しかった」と言う。
10日が過ぎて各々の修練生が診断と処方を発表している。しかし、チャングムとシンビの組は違う結論だった。これは、シンビが知識に頼らず徹底して患者の話を聞き、生活の背景や習慣から正しい結論を導き出したからだった。チャングムは自分がうぬぼれていたと気づいた。シン教授は、まだチャングムを信じられないと言うが、もう一度、薬と毒の区分試験を実施する。この試験に失敗すると、チャングムは不可3つで落第になってしまう。
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私はこの33話と34話のエピソードが一番好きです。知識がある者が知識に溺れて本質を見失う危険からチャングムは立ち直ります。それを助けたのはシン教授に他なりません。後のシン教授(医務官)は精彩を失いますが(他のキャラクターでも務まりますが)、この一連のエピソードでは欠かせない存在です。
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今週の名言
「医師は意地でなるものではない」
チャングムが炊事、洗濯、掃除を一人で担当しているのを見たシン教授がかけた言葉。チャングムが幼い時、「お前は女官になる資格が無い」と追い出されたことがありましたが、それでも自前の努力で女官になることができました。今回も自分ではまった罠から抜け出そうともがいています。

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