2006年2月18日土曜日

第18話 料理人の信念

チョン最高尚宮が宮殿から退出になり、水刺間で女官たちにテキパキと指示を出すハン尚宮。そこへチョン・ユンス医務官がやってきて最高尚宮に相談したい事があると言う。最高尚宮不在のため各担当者に個別に相談するように答えるハン尚宮だが、それを聞いていたクミョンが裏工作を思いつく。対策会議に医務官を出席させるようチェ尚宮に言い、チェ・パンスルを通じて医務官に根回しをする。対策会議では最高尚宮の不在が問題になり、チェ尚宮の思惑通りの医務官の発言もあって、皇太后に最高尚宮の選任を進言する事になる。最高尚宮が不在では水刺間が運営できないと言うヨンシン女官長に対し、内侍府の長官は、病気の間に最高尚宮を交代させた例はなく、王の信頼も厚いのに暇(いとま)を言う機会も与えないのは問題だと反論する。皇太后は二人の意見を聞いて、チェ尚宮を最高尚宮代行にするよう決める。

最高尚宮代行に決まったチェ尚宮は、女官たちの前で疫病で人手が少ないが一致して仕事にあたるように言い、また、ハン尚宮とチャングムに太平館で明国の使者の接待にあたるように指示する。宮殿を出発するハン尚宮とチャングムはカン・ドック夫妻に出会う。ハン尚宮はトックに「チョン最高尚宮の具合を見に行ってほしい」と依頼する。その場にミン・ジョンホもいて、チャングムの体と仕事を気遣う。
太平館に着いたハン尚宮とチャングムは、トックに託されたチョン最高尚宮の手紙を読み、チェ尚宮たちの罠を知る。そこへ明国の使者が到着したとの知らせが入る。食通の使者を山海の珍味でもてなそうと食材を集めているところに医女が訪ねて来て、使者に薬を飲ませてほしいと頼む。使者は糖尿病で、明国からの長旅で症状が悪化しているらしい。それを聞いたハン尚宮は何かを考えている。
オ・ギョモらを交えた席で明国の使者ももてなしているところに食事が運ばれてくる。しかし、そのメニューは粗末なものだった。色を失うオ・ギョモたち。ハン尚宮を謹慎にし、料理を作り直すよう指示する。しかしチャングムは、糖尿病を患っている使者に山海の珍味は出せないと言う。体に良い野菜を食べるのはやぶさかでないが、まずいものは食べたくないという使者。5日の間チャングムが料理を作る事にし、もし体調が良くならなければ明国式の厳罰を科すと言う。
一方、その事実を知ったヨンシン女官長とチェ尚宮は、ハン尚宮が墓穴を掘ったと喜ぶ。そして、チェ尚宮とクミョンが太平館に行く事になる。しかし、厨房でチャングムは「5日間は自分が料理を作る」と主張し、チェ尚宮とクミョンは引き下がる。しかしチェ尚宮は「5日の後に山海の珍味で贅を尽くした宴料理を出す」と言い、オ・ギョモも賛成する。
5日の間、使者はチャングムの料理を食べ続ける。今ひとつ反応が良くない。そして、チェ尚宮の宴料理が出される。おいしそうに食べる使者。食事の後、オ・ギョモはチャングムに罰を出すように促す。
   ☆
食事療法は現在では常識。また、医食同源/薬食同源という考え方も古くからあったようですから、改めて言うまでもないハン尚宮とチャングムの行動ですが、冊封体制下の外交交渉の場では、それが歪められてしまう現実に直面します。信念の信念たる所以は、それを曲げない事に尽きます。
それにしても、太平館に事実上左遷されて、「どうしてそんなに落ち着いていられるのですか?」と尋ねるチャングムに、「落ち着いていないわ」と答えるハン尚宮はどう見ても落ち着いていました。しかし、上に立つ者は非常時にうろたえると部下が不安に思うもの。理想の上司ハン尚宮はそういう事を良く知っているのでしょう。
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今週の名言
「宮中に戻ったらお前にその座を譲るから一度やってみるがいい」
疫病で療養してるミン尚宮にチョン最高尚宮が言った言葉。ミン尚宮が「チョン最高尚宮様は最高尚宮になって思い残す事はないでしょうが、私はこのまま死んでしまうのかと思うと悔しい」と言ったのに答えた台詞。上には女官長がいて、中間管理職的な立場でもある最高尚宮。上に立つ者の難しさを表現しています。しかも、チョン最高尚宮は自ら望んでその地位に就いた訳でもないという背景もあります。
「料理人として体に悪いと分かっている料理は出せません」というチャングムの台詞が名言だとは思いますが、敢えてこちらを選択。チャングムの台詞はテーマなので。

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